ドローン空撮映像撮影の裏側を紹介する「ドローン撮影解説」。今回は、千葉県銚子市にある犬吠埼灯台の空撮映像について解説します。
犬吠埼灯台は、千葉県の最東端の犬吠埼にある灯台です。お正月の時期には、日本でいちばんはじめに日の出を見ることができる場所(平地)としても有名です。
灯台の空撮というと、灯台を中心にして周辺を円を描くようにフライトする「ノーズインサークル」で撮影する方が多いのですが、それではどこの灯台を撮っても同じになってしまいます。
犬吠埼灯台が建っている岬には、1億2千万年前の地層があわらになっています。銚子という土地、そしてこの灯台の特徴はまさにそこにあります。なので映像は灯台の足元の岸壁(地層が見えるところ)からスタートします。地層の傾きに合わせて斜め上に円を描くように上昇し、灯台が見え始めたころから太平洋側へスピードを上げながら離れていくと、長い年月をかけて押し固められた砂岩のごつごつとした犬吠埼の全体像が見えてきます。
このように、操縦のテクニックに溺れるのではなく、その被写体が持つ特徴や魅力をいかにシンプルに表現するか…というところが映像の魅力を高めるポイントとなります。