ドローン空撮映像撮影の裏側を紹介する「ドローン撮影解説」。今回は、静岡県にある清水港と土肥港を結ぶ駿河湾フェリーの空撮映像について解説します。
撮影は駿河湾フェリーに実際に乗り込んで行いました。船上からのドローン空撮はポイントがあります。
(1)移動し揺れる船上での安全な離着陸
(2)移動する船を拠点とした確実な帰還
この2点が重要になります。まず、1をクリアするために、フェリー後方デッキからの補助者によるハンドリリース&キャッチによる離着陸を実施しています。移動しているフェリーでは、機体が離陸時に船体後に流されることを考えると後部からの離陸が安全です。また、ハンドリリース&キャッチをすることによってある程度の船の揺れを吸収することができます。
また、駿河湾フェリーは定期運航しているため、フライト中は撮影の意図に関わらず常に移動しています。最悪の場合、フライトしたまま移動するフェリーに帰還できない…ということもないとは言い切れません。そのため、フェリーの速度を確認し、当日の風速を測りつつ、ドローンの飛行速度と照らし合わせながら帰還可能な状態を保ちつつ撮影を行っています。
欲を言えばもう少し天気が晴れていればもっとよかったのですが、最後の最後には雲が晴れて富士山も顔を出してくれました。
ドローンの撮影には、安全の徹底が必要になりますが、その徹底がなされたときには、普段なかなかみることができないアングルからの絶景を収めることができます。船の撮影にはドローンが必須アイテムと言っても間違いはないでしょう。